何かに悩んでいるとき、人の頭はそのことでいっぱいになる。深刻な悩みであればあるほど頭にこびりついて離れない。憂鬱な気持ちが全身を覆いつくす。あたかも自分が全世界の悩みを一手に引き受けているかのように、悩みの沼にはまってしまう。
そんな時は考えてみてほしい。人間一人の悩みがどれほどちっぽけなものなのか。
人類の起源は約700万年前に誕生した猿人と言われている。まだ猿と人の中間のような見た目である。その後、原人、旧人を経て、現代の人間の直接的な祖先である新人となるのが約20万年前のこと。
こう考えると自分の人生がとてもちっぽけなものに思えてくる。猿人から考えると700万年、新人から考えても20万年の時を刻んできた人類の歴史において、自分が生きてきた約30年なんて、ゾウに付いたノミみたいなものだ。
さらに言うと、恐竜は2億3000万年前に誕生した。そして、6600万年前に絶滅している。つまり、恐竜は1億6000万年も繁栄していたのだ。新人の歴史20万年と比較して800倍である。そして、しげるの歴史30年と比較して533万倍。
よくわからない数字になってきたが、とにかく一人の人間の人生はこのような歴史から見ると、とてつもなく短いということを伝えたい。
もっと途方もないことを言うと、地球の誕生は約46億年前で、原始生命の誕生は約40億年前と言われている。
ここで、有名な地球カレンダーというものを紹介したい。地球46億年の歴史を1年間のカレンダーで表したものである。
1月1日 地球誕生
2月17日 生命誕生
12月13日 恐竜出現
12月26日 恐竜絶滅
恐竜出現が年末の12月とは驚きである。忘年会シーズンにやっと誕生し、クリスマスの翌日には絶滅している。生命誕生から恐竜につながるまでどれほど長い期間を要したかが分かる。また、恐竜が繫栄した1億6000万年の期間は、地球カレンダーでは2週間ほどと非常に短い。地球の歴史の長さを感じさせられる。
12月31日 23:37 新人の誕生
12月31日 23:59 産業革命
新人の誕生はなんと大晦日の23時37分。紅白歌合戦も大詰めを迎えたタイミングだ。「新人」と言っても今年入社した新入社員ではない。20万年前に誕生した現代人類の祖先に当たる新人のことだ。
そして、年越しの1秒前にやっと産業革命が起きる。200年前の出来事なので、日本では江戸時代に当たるだろうか。ちょんまげを結った武士が刀を持っていた時代がほんの1秒前なのである。
どうだろう。地球が積み重ねてきた歴史を考えると、自分の悩みがどうでもよくなって来ないだろうか。
ここまでは「時間」の話だったが、ここからは「大きさ」を考えてみたい。
まず、我らが地球の大きさは直径約12700kmである。実にフルマラソン300回分の長さだ。かなり大きいことがわかる。
次に太陽系で一番大きな惑星である木星は、直径約143000kmである。地球の約11倍という大きな星だ。
そして、太陽の直径は約139万kmで地球の約109倍。例えば、身長165cmのしげるを地球だとすると、太陽は身長180mくらいの超巨人ということになる。50階建てのビルくらいの高さだ。
80億人もの人間を乗せて回っている地球でも、太陽と比較するとこれだけ小さな存在なのだ。その中に住んでいる80億分の1の人間がどれほどちっぽけかを思い知らされる。手元の計算では、地球に対する人間の大きさは、人間に対するミジンコよりも小さいということになる。
「俺はミジンコ」
そう考えて生きて行こう。
なんだか心が軽くなった気がする。

さらに計算してみると、太陽に対する人間の大きさは、人間に対する大腸菌の大きさくらいになることがわかった。
これは悲報ではなく朗報だ。
「俺は大腸菌」
良いうんちをたくさん作るぞ。
大きさの話はまだ終わらない。次は太陽系を飛び出してみよう。以下に宇宙に存在する星の大きさをまとめてみた。
まずは有名な星2選。
・アンタレス
アンタレスはSHIMANO社が販売しているルアーフィッシング用のベイトリール。高い品質と性能で1998年の発売以来数多くのアングラーに愛され続けてきたシリーズ…ではない。さそり座で最も明るい恒星だ。太陽系から550光年も離れた場所にあるのに肉眼で簡単に確認できる。直径はなんと太陽の700倍である。
・べテルギウス
ベテルギウスは2022年にリリースされた優里のシングル。ストリーミング累計再生回数1億回を超える大ヒットソング…ではない。オリオン座の左肩にある明るい恒星だ。シリウス、プロキオンとともに冬の大三角を形成しており、肉眼での確認も容易だ。太陽系からの距離は500~550光年と考えられている。優里さんの曲の歌詞にも「遥か遠く終わらないベテルギウス」とあるように、とても遠くにある星だ。我々は約500年前の姿を見ているということになる。直径は約10億kmとも言われており、太陽の700~1000倍程の大きさがある。
次は超巨大な星2選。
・WOH G64
なんだか凄そうな名前のこの星は、直径が太陽の1540~1730倍と言われている。凄いのは大きさだけではない。太陽系からの距離が果てしなく遠い。なんと16万光年も離れた位置にあるのだ。遥か遠く終わらないベテルギウスの約300倍も遠い。太陽系が属する銀河系(天の川銀河)を飛び出して、大マゼラン雲という別の銀河に存在するらしい。ちなみに、宇宙には銀河が2兆個存在するとも言われている。宇宙はどれだけ広いのだろうか。
・はくちょう座V1489星
現在観測されている恒星の中で最大級とされる、はくちょう座V1489星。直径は約23億kmで、太陽の1650倍もある超巨大な星である。仮に太陽の位置に置いた場合、表面は木星と土星の間に達するらしい。地球は一飲みにされてしまう。
ということで、今回は「地球の歴史の長さ」と「宇宙の大きさ」という観点から人間のちっぽけさを感じてもらいたくてこの記事を書いた。
途方もなく長い時間を積み重ねてきた地球。
人間の想像を超えて果てしなく広がる宇宙。
それらに思いを馳せることで「数えきれないくらいの奇跡がつながって今の自分が存在する」ということを実感できる。そう考えると、与えられた人生を最大限幸せに生きることは、私たちの義務なのかもしれない。
自分のことを「ちっぽけだけど奇跡の存在」と思えたら、今までよりも素敵な人生を歩めるような気がする。


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