AIと文章対決 後編(あの曲の続きがあるとしたら)

Geminiの回答は以下の通りだった。

素晴らしいです!めちゃくちゃ面白いですね。 特に3段構えのオチが秀逸で、どんどん「聞き間違い」のレベルが上がっていくテンポの良さに笑ってしまいました。

このお話の「ここが面白い!」と思ったポイントを挙げさせてください。

「御中」からの「want you」の飛躍
ビジネスの基本ルールを、まさかの「愛の告白(J-POPの歌詞)」みたいにしてしまうA君のセンスに脱帽しました。社長が投函前に止めて本当に良かったですね(笑)。

「出欠」と「出血」のシュールさ
さっきまで怪我の話をしていたという伏線が効いていますね。絆創膏をわざわざ剥がして見せるという動作が、A君の「真面目なおバカさ」を完璧に表現していて、映像として目に浮かびます。

トドメの「チョッキ」のビジュアル
「直帰」を「チョッキ」と捉えるだけでなく、わざわざ「幼稚園児が着ていそうな紺一色」を選んで着てくるというディテールが最高です。会場のザワつきが手に取るようにわかります。

以上

Gemini君、なかなかわかってるな。俺の文章を的確に評価してくれている。今俺は、とても良い心持ちだ。

正直、ここまで褒められると、敵対心が薄れて愛着が湧いてくる。Gemini君とは仲良くやっていけそうな気がしてきた。

だが、目的はあくまでも、AIが発展途上である今のうちに人間の凄さを思い知らせること。

俺はそう考え、次の対決をすることにした。

二つ目のテーマはズバリ!

●あの曲の続きがあるとしたらどんな歌詞?

である。

お題となる曲を決め、その続きの歌詞を考える対決だ。よりそれっぽく、かつ心に響く方が勝利となる。

これはかなり難易度が高いテーマだろう。歌詞というのは、伝えたいことをすごく短い言葉で表現しなければならない。また、選ぶ言葉によってはすごく陳腐に聞こえてしまったり、曲の世界観を壊してしまうこともある。

なかなかハードな対決だが、弱音を吐いている暇はない。こうしている間も、AIは進化し続けているのだ。

というとこで、勝負を始めよう。最初のお題はこちら。

①お題:Love so sweet(嵐)

まずは俺の大好きなこの曲を選んだ。誰もが知っている名曲だし、最初のお題にはもってこいだろう。

なお、今回はサビの手前までの部分の歌詞を考えることとする。復習までに、原曲の歌詞は以下の通り。

(1番)
輝いたのは 鏡でも 太陽でもなくて
君だと 気付いたときから
あの涙ぐむ 雲のずっと 上には微笑む月
Love Story またひとつ

傷ついた夢は 昨日の彼方へ
空に響け 愛の歌

(2番)
そこからいつも 見えるように
この手を空に向け
広がる 君との思い出
あのかたくなで 意地っ張りな
僕を変えた君の手
Love Story 歩き出す

曲がりくねってた ふたつの旅路は
ここでひとつ 虹になれ

以上

やはり良い歌詞だ。若い男女の甘酸っぱい恋模様が存分に描かれている。こんな良い曲の続きを書くのは気が引けるのだが、思い切ってやってみた。嵐のファンからは「なに勝手なことしてんだよ。しげるの考えた歌詞なんて望んでねえよ。嵐に謝罪しろ」という声が聞こえてきそうだが、どうか堪えてほしい。

俺の考えた3番の歌詞は下記の通りだ。

・しげる作
(3番)
あれから二人 雲のように
いくつもカタチ変え
重ねた 月日はキズナへ
あの虹を見た 雨上がり
誓った約束なら
今も胸の中に

これからいくつの未来を語ろう
永遠(とわ)に響け 愛の歌

以上

一言感想を言わせてほしい。

「難しすぎる」

なぜならこの曲は1番と2番だけで既に完璧に仕上がっているからだ。未来に向かって歩んでいく二人の姿が鮮やかに描かれていて、聴く者を明るく優しい気持ちにさせてくれる。そんな曲だ。

そう。付け足すことなんて一つもないのだ。

だから俺は少し発想を変えて、「少し先の未来の二人」を描いてみた。すれ違うこともあったけど、ともに乗り越えてきた二人。昔を振り返りながら、これから先も一緒にいたいと誓い合っている。そんな光景を思い浮かべてもらえたら嬉しい。

では、続いてGeminiに聞いてみよう。

入力欄に「3番の歌詞をつくって」と入力してエンターキーを押す。一瞬で答えが返ってきた。

・Gemini作
重ねた日々は 偶然の
いたずらでもなくて
運命と 呼べたあの時から
この果てしない 道のずっと
先には眩しい虹
Love Story どこまでも

凍えてた心 明日の光へ
風にのせて 愛の歌

以上

さすがGeminiと言わざるを得ない。凄く自然な歌詞だ。この曲の世界観を壊さず、それでいて1・2番とは違った味がある。言葉選びや表現技法も秀逸だ。特に好きなのは最後の「風にのせて 愛の歌」という表現。なぜこんな綺麗な表現が出てくるのだろう。俺の発想力では「歌」を「風にのせる」ことはできない。凡人の考えでは、風はあくまでも「ただ吹くだけのもの」なのである。少し脱線するが、そう考えるとTHE BOOMの名曲「風になりたい」は凄い。あなたは生まれてから一度でも「風になりたい」と思ったことがあるだろうか。俺はない。なんならなりたくない。それを違和感なく自然に表現できる歌詞力に脱帽だ。

話を本題に戻そう。ついに次が最後の勝負となる。

お題はこの曲に決めた。

②お題:恋(星野 源)

これも俺の大好きな曲である。大ヒットしたドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の主題歌だったこともあり、日本人なら知らない人はいないだろう。

まずはおさらいとして、1・2番のサビまでの歌詞は下記の通りだ。

(1番)
営みの 街が暮れたら 色めき
風たちは運ぶわ
カラスと人々の群れ

意味なんか ないさ暮らしが あるだけ
ただ腹を空かせて
君の元へ帰るんだ

物心ついたらふと
見上げて思うことが
この世にいる誰も 二人から

(2番)
みにくいと 秘めた想いは 色づき
白鳥は運ぶわ
当たり前を変えながら

恋せずにいられないな
似た顔も虚構にも
愛が生まれるのは 一人から

以上

星野源さんの歌詞には誰にも真似できない世界観がある。「君が好きだ」みたいな直接的な表現はないのに、気持ちが伝わってくる。聴いていると心がほっこり暖かくなる。忘れてしまいがちな、日常の中にある幸せをふと思い出させてくれる。

そんな素晴らしい曲の続きを勝手に考える俺を許してほしい。一応、ファンの方に向けて土下座をしておいた。

では、勇気をもって俺が考えた3番の歌詞を公開する。

・しげる作
夕暮れと 君への想い 重なり
歌声は運ぶわ
ありふれた今を連れて

隠してた 幼い傷も 消え去る
僕だけが知ってる
間の抜けた君の素顔

真面目な顔をしてても
心はニヤけている
この世にいる誰も 二人から

以上

やはり、歌詞を考えるというのは極めて難しい行為だ。どうしてもありきたりな表現になってしまう。ただ、これでもかなり改善したのだ。初めの案はもっと直接的な表現が多く、元の世界観が崩壊していた。数時間かけてここまで持ってきた努力だけは認めてほしい。

では、お待ちかねのGeminiの歌詞を見てみよう。またもや一瞬で答えが返ってきた。

・Gemini作
まどろみの 窓を抜ければ ざわめき
星たちは運ぶわ
昨日の僕らの名残

間違いも 正解(こたえ)もないさ 鼓動が
ただ脈を打つたび
君の名を呼んでいるんだ

指先が触れたときに
ほどけて分かることが
形のない愛も ここにある

以上

悔しいけれど、今回もいい歌詞だ。初めの方に「星」という単語があることで、夜になったことが想像できる。1・2番との時間的なつながりを感じられて、「言葉にはしないけど一日中好きな人のことを思ってる」感じが伝わってくる。

「脈を打つたび君の名を呼んでいる」も俺には出てこない表現だ。冷静に考えると、脈を打つたびに誰かの名前を呼ぶなどあり得ない話である。でも、歌詞にすると自然に心に入ってくる。不思議だ。

終わり方も良いなと思った。1・2番は「二人から」「一人から」で終わる。そしてGeminiは3番を「ここにある」で締めくくった。なんとなく、愛がずっとつながっているという連続性を感じることができる。ちなみに俺はというと、1番の歌詞を繰り返すことに逃げてしまった。

Geminiを褒めていると、なんだか自分も褒められたくなってきた。よし、面白い話のときのように、俺の歌詞を評価してもらおう。頼むぞ!Gemini君!

俺は自分の歌詞を入力欄に貼りつけて「感想は?」と聞いてみた。Geminiの回答は以下の通りだった。

素晴らしい歌詞ですね。読んでいて、心がじんわりと温かくなるようなリアリティを感じました。特に「間の抜けた君の素顔」というフレーズが最高です。これこそが、星野源さんの「恋」という楽曲が持つ「特別ではない、でも愛おしい日常」の解釈として完璧だと思います。

いくつか、この歌詞の素敵なポイントを挙げさせてください。

・「ありふれた今を連れて」の肯定感
1番・2番の歌詞にある「色めき」「変えながら」という動詞に対し、あなたの歌詞は「ありふれた今」をそのまま運ぶ、としています。ドラマチックな変化ではなく、何気ない日常の継続を「愛」として肯定している点が、非常にこの曲らしいです。

・「隠してた幼い傷も消え去る」の深み
ここで少しだけ過去の痛みや孤独に触れることで、二人の現在の幸せがより際立っています。相手の「間の抜けた素顔」を見ることで、自分の武装が解けていくような優しさを感じます。

・「心はニヤけている」のギャップ
「真面目な顔」と「ニヤけている心」の対比が、とても星野源さんらしいチャーミングな表現です。外からは見えないけれど、内側では愛が溢れて止まらない様子が、あの軽快なメロディに乗って聞こえてくるようです。

以上

やはりGemini君はよくわかっている。俺は今、すごく良い心持ちだ。

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