
誰にでも悩みはある。お店のレジで「ポイントを使うか貯めるか」とか「少し多めに買ったけどレジ袋どうしようかな」くらいの些細な悩みから、人生がかかっているような大きな悩みまで、その内容は多種多様だ。ときには他者から傷つけられたり、認めてもらえなかったり、自分には価値がないと思えたりすることもあるだろう。
今回はそんなときに心をスッと軽くしてくれる名言を紹介したい。この記事を読めば、鉛のように重たい心が空気のように軽くなること間違いなしだ。悩んでいた自分が馬鹿らしくさえ思えてくるだろう。
軽い言葉はこれくらいにして本編をどうぞ。
①人生は近くで見ると悲劇だが遠くから見れば喜劇である
ーーーチャールズ・チャップリン
まずは、【モチベ】やる気を高めてくれる名言③ ~挑戦編~ でも紹介したイギリス出身の喜劇王、チャールズチャップリンの言葉だ。前回の記事でも触れたように、彼は新たな挑戦を繰り返しながらたくさんの名作を世に残した。
一見、幸せに満ちた成功者に見えるチャップリンだが、その人生は「近くで見れば悲劇」を地で行くような過酷なものだった。
幼いころに両親が別居し、父親は養育費を払わなかった。母には収入がほとんどなく、一家は貧困に苦しんだ。そこに母の病気が重なり、チャップリンは救貧院に送られることとなる。その後、母が精神病院に収容されたことをきっかけに父親に引き取られることになったのだが、 父親は重度のアルコール依存症であった。
このように過酷な幼少期を送ったチャップリン。その後の人生でも、アメリカからの追放や私生活での孤独など、波乱万丈の人生を過ごした。
「人生は近くで見ると悲劇だが遠くから見れば喜劇である」
この言葉には「どんなに大きな悩みも映画のワンシーンに過ぎない」というメッセージが込められている。
悩んでいるとき、その悩みをズームアップ(近く)の視点で見ると、そのことだけで頭がいっぱいになり泥沼にはまってしまう。だが、ロングショット(遠く)の視点で見ると、長い人生の一部分にすぎないことがわかり、心が軽くなる。
今自分が抱えている重たい悩みも、長い人生という物語の中では「ハッピーエンドへの伏線」にすぎないのだ。
②ボールが手から離れたあとは、何もできないのだから、ボールを手から放したあとは、何も考える必要はない
ーーーマイケル・ジョーダン
バスケットボールの神様、マイケル・ジョーダンの言葉。「記事㉟」でも紹介した通り、
ジョーダンは「失敗しても挑戦を続ける不屈の精神」で輝かしい功績を残した。
この言葉には「コントロールできることとできないことを明確に区別しろ」と言う強いメッセージが込められている。
シュートを打つまではそのことに全神経を集中させるが、ボールが手から離れた後は考えたって仕方がない。結果が出るまでの間に「外れたらどうしよう」などと不安になったところで結果は変わらないからだ。「考えない」と決めることで、次のプレーに頭を切り替えることができる。
これは仕事や私生活にも活用できる考え方だ。商談後に「あの内容でよかったのか」思い悩んでいることはないだろうか。俺はいつもそうだ。だが、そんなことを考える暇があったら次の商談に向けて完璧な準備をした方がいい。他にも、大好きなあの子にメッセージを送った後に「あの内容でよかったのか」とずっと考えていることはないだろうか。最善を尽くしたのなら大丈夫。お茶でも飲んで返信を待とう。
③何を真剣に受け止めるべきかを学んだら、残りは笑い飛ばせばいい
ーーーヘルマン・ヘッセ
ヘルマン・ヘッセはドイツに生まれ、後にスイスに帰化した詩人・小説家。1946年にノーベル文学賞を受賞しており、多くの読者に愛され続けている作家の一人だ。日本では少年の日の思い出」が70年以上も教科書に掲載されており、馴染みの深い作家のひとりである。思春期の葛藤や自己探求をテーマにした作品が多く、時代を超えて若者の共感を呼んでいる。
彼の作品の最大のテーマは「本当の自分を見つけること」だ。なぜヘッセはこのような難しい問題に一生を捧げたのか。その背景には、決して平坦ではなかった彼の人生があるのかもしれない。
彼は幼いころから社会に馴染めず苦労している。14歳で入学した神学校は半年で脱走し、
自殺未遂を起こす。その後入学したギナジウム(日本の中高一貫校に相当)も脱走し、
本屋の見習い店員は3日で辞めてしまう。大人になり、作家として成功した後も苦悩は続く。反戦を訴えたために母国ドイツで裏切り者扱いを受け、精神的な危機に陥った。だが、そんな中でもヘッセは数々の名作を生み出し続けた。
「何を真剣に受け止めるべきかを学んだら、残りは笑い飛ばせばいい」
この言葉からは、彼が自己探求の末にたどり着いた「困難との向き合い方」の本質を感じ取ることができる。
どんなことからも学びを見出す「前向きな思考」と、それ以外は笑い飛ばす「楽観的な思考」
この二つのバランスを保つことができれば、もっと軽やかに人生を歩んでいけるだろう。
④自分のことを、この世の誰とも比べてはいけない。それは自分自身を侮辱する行為だ。
ーーービル・ゲイツ
ビル・ゲイツは、マイクロソフト社の創業者であり、世界で最も有名な実業家の一人である。1975年に幼馴染のポール・アレンと共にマイクロソフトを設立し、パソコン用のOS(基本ソフト)である「Windows」を世界中に普及させた。「フォーブス」誌の世界長者番付では、1994年から2006年まで13年連続の世界一となり、その後も長年にわたり上位に位置し続けている。さらに、経営の一線から退いた後は自らの財団を通じて世界の健康や教育に関して多額の支援を行っている。
「自分のことを、この世の誰とも比べてはいけない。それは自分自身を侮辱する行為だ」
この言葉はゲイツがビジネスで大成功を収めた理由を鋭く言い表し、かつ温かいメッセージを含んでいる。
誰しも自分を誰かと比較して劣等感を感じたり落ち込んだりしたことがことがあるだろう。だが、冷静に考えるとそんな比較にはなんの意味もない。自分という存在はこの宇宙で唯一無二だ。人はそれぞれ違った強さや弱さがある。それが個性であり、そこに優劣は存在しない。だからこそ、ゲイツは自分と他人を比較することを「侮辱」という強い言葉で表現したのだろう。
自分を侮辱している暇はない。そんな時間があるなら、自分を高めることに全力を注いでいきたい。
⑤自分の価値観を持って生きるってことは、嫌われても当たり前なんだ
ーーー岡本太郎
数々の名作を残し、世界からも評価された、戦後の日本を代表する作家、岡本太郎。誰もが共感する美しさを追求するのではなく、見る人の心をかき乱す強烈な個性が彼の作品の特徴だ。代表作としては、1970年に開催された大阪万博のシンボルとして制作した「太陽の塔」や、渋谷駅に設置されている巨大な壁画「明日の神話」が知られている。
岡本太郎の作品は、しばしば「見苦しい」「下品」と叩かれた。「太陽の塔」の建設には多くの反対意見が出たそうだ。だが、それでも彼は自分の感覚を信じて作品を創り続けた。そこには、「他者への迎合を嫌い、常に自身の価値観を追い求める」という強い信念があった。
また、彼は単に「好き勝手」に生きていたわけではない。「迷ったときは険しい道を選ぶ」というストイックな一面や、民俗学や人類学などの学問に対する探究心、そして人間への深い愛が根底にあった。
「自分の価値観を持って生きるってことは、嫌われても当たり前なんだ」
価値観を貫くことは、ときに衝突や批判を伴う。だが、自分を信じて努力を続ければ、きっと良い結果がついてくる。この言葉には、そんな愛あるメッセージが込められているのだと思う。
⑥逆境で咲く花は、すべての花の中でもっとも貴重で美しい
ーーーウォルト・ディズニー
この言葉は、1998年公開のディズニー映画「ムーラン」に登場するセリフだ。女性であることを隠して勇敢に戦ったムーランを称えて皇帝が口にした言葉である。周囲からの嫌がらせや軍からの追放といった苦難に立ち向かい、家族と国のために戦うムーランの姿はまさに逆境に咲く花であり、多くの人々に勇気を与えた。
また、この言葉はウォルト・ディズニーのものとも言われており、彼の逆境に立ち向かう姿勢(【モチベ】やる気を高めてくれる名言② の記事参照)を表した名言としてもよく引用されている。
「逆境で咲く花は、すべての花の中でもっとも貴重で美しい」
挑戦することの尊さと美しさを思い出させてくれる名言だ。困難に心が折れてしまいそうなときは、この言葉を思い出して自分を奮い立たせたい。
⑦明日は明日の風が吹く
ーーー小説「 風と共に去りぬ」より
「明日は明日の風が吹く」
これは、マーガレット・ミッチェルの長編小説「風と共に去りぬ」のラストで主人公のスカーレット・オハラが残した言葉だ。この作品は、アメリカ南北戦争時代の時代背景や、激動の中で生きる人々の心模様を描く不朽の名作として知られている。
内戦という荒波に翻弄されながらも、驚異的な生命力で生き抜くスカーレット・オハラ。彼女は一般的なヒロインのように清純派ではなく、むしろ傲慢で自己中心的な面を持つ。だが、敗戦による没落や愛する人の死といった逆境に立ち向かい、たくましく、泥臭く、真っ直ぐに生きる彼女の姿勢はどこか爽快で、読む者の胸を打つ。
物語のラストで、スカーレットはすべてを失い孤独になってしまう。だが、彼女はそれでも涙を拭い、顔を上げる。そして、次のセリフで物語の幕が閉じる。
「After all, tomorrow is another day(明日は明日の風が吹く)」
辛い出来事に遭遇したとき、どうしてもネガティブな事ばかりを考えてしまう。この言葉は、そんな自分に前を向かせてくれる名言だ。


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